1952-05-16 第13回国会 参議院 内閣・厚生連合委員会 第2号
これがたとえ敗戰の結果であるとはいえども、若しミリタリズムを根絶する、軍人というものには子々孫々懲罰を加えるといつたようなあの戰勝国側の一方的意思で加えられたる処分であるとしましても、私はすでに六年八カ月間言おうようなき悲惨なる運命に会わされた人々の処分はもうこれで一応今日は消えておるのではないかと思う。
これがたとえ敗戰の結果であるとはいえども、若しミリタリズムを根絶する、軍人というものには子々孫々懲罰を加えるといつたようなあの戰勝国側の一方的意思で加えられたる処分であるとしましても、私はすでに六年八カ月間言おうようなき悲惨なる運命に会わされた人々の処分はもうこれで一応今日は消えておるのではないかと思う。
欧洲の経済全体が混乱に陥り、そうしてこの賠償問題がヒツトラーの抬頭の一つの原因を作つたことは明らかだ、そこで第二次大戰後においては、御承知のように、この賠償問題につきましては、戰勝国側は極めて慎重な態度をとり、例えばイタリアの平和條約について見ますならば、総額三億六千万ドル、そうしてこれが七年間に拂われ、而もそれは敵国にありました財産等を以て充てることもできる、そのために実際は比較的軽いものであるということは
しかして、それは何人も満足させる條約であるかといえば、必ずしもそうではなく、サンフランシスコ会議において、ダレス代表すら、平和條約は完全なるものではない、何人も完全に満足しているものではないが、しかし最もよき條約であると述べているから、この平和條約は各国の和解互讓の結果成立したものであり、戰勝国側においても不満があるのであるから、戰敗国である日本から見れば、必ずしもすべての点に満足の行かないところがあるのは
戰勝国側の顔ぶれを見て、にわかに心境に変化を来したのかと思いますが、戰勝国が與党、野党そろつて来るのは当然で、それは先方には栄光の日であるからであります。また戰勝国が戰敗国に與野党顔をそろえて来てほしいと望むのは、これも当然で、後日の虫封じとして、(拍手)また栄光をいや増す上からも必要でありましよう。(拍手)しかし、われわれに理解のできないのは、首相の態度のこの急変ぶりであります。
戰勝国側において、これだけの公正且つ寛容な態度を示しております際、何の遠慮があつて吉田総理大臣は国会を通じて国民に知らしめる努力甚だ不十分のそしりを受けられる必要がありましようか。
これはポツダム宣言に基き、われわれが世界に公約したところのものでございまして、もちろん戰勝国側である国から、これを当然われわれに守るべき義務として押しつけて来るのは当然であろうと思うのです。